2011年春作2011/01/04 14:01

春に収穫(栽培)予定の作物を種苗会社のパンフレットを見らながら拾い上げた。研修同期生と4名で余剰作物の販売を実行に移すことになった。近々、春季栽培・収穫予定の作物一覧を持ち寄って相談することになっている。
販売と言っても、生計の足しにするのではなく、畑の賃借料、種代など農業に関わり続けるのに必要な費用を確保するのが主な目標だ。参加者4名が全員定年退職者ということもあり、社会との接点がともすると失われがちだ。自家栽培野菜の販売を通して社会と向き合う機会を作ることも目的の1つだ。
一覧表にあるものすべてを栽培するには、取捨選択を厳しくしないと耕地面積が足りない。余剰作物の販売だが、ある程度の余剰が出る作付けをしないと販売は無理だ。4名で重点作物を分担して作物の種類と量を確保したい。
春(4,5月収穫)作付け一覧:作物名と収穫時期
シュンギク(きわめ中葉春菊):3月中旬→6月
チンゲンサイ(ともみ):4月上旬
ダイコン(大師):4月下旬
小カブ(スワン):4月下旬
コマツナ(菜々美):4月下旬
ルッコラ:4月下旬
スナックエンドウ:5月
ソラマメ:5月
アスパラガス:5月
ニンジン(いなり五寸):5月中・下旬
イチゴ(宝交早生):5月→6月中旬
ラディッシュ(紅白二十日):5月中旬
=以下は春に作付け、6月以降の収穫予定の作物=
ジャガイモ(キタアカリ・男爵・メークイン)、キュウリ、ズッキーニ、ナス(千両2号)、加茂ナス、トマト(生食・加工用)、ピーマン、スイートコーン(ハニーバンタム)、スイカ、カボチャ、エダマメ、オクラ、インゲンマメ、ラッカセイ、サツマイモ、サトイモ、ヤーコン、バジル、赤シソ、大葉、長ネギ
自家消費用の野菜も4人で融通し合うと、合理的で効率的な作付けができそうだ。

昨日、一昨日の2日間は収穫のみ。
ヒヨドリが飛来
ヒヨドリとブロッコリー
ブロッコリーの葉をついばんでいる。昨冬、周囲に緑がなくなった頃、ブロッコリーの葉が芯だけになってしまった。

新年を迎えた畑全景
畑全景
そろそろ春作に向けて準備を始めたい。

春作の配置2011/01/05 22:35

春から初夏かけて収穫したい作物のリストを作ったものの、畝をどう配分したらよいのか悩ましい。
座間の圃場の畝配置図(4・5月の予定)
2011年春の作付け割り当て
ブログに載せるため、PDFファイルをjpg形式を変換したところ、縦書きの文字の表記が正しく反映されていない。
使用期限がいつ来てしまうのか不安な三田には、栽培期間が短く、ある程度放っておいてもよさそうな作物の栽培を考えている。サツマイモと大豆などだが、夏に再び日照りが続くと大豆の収穫は望めない。
今年は、ナス・トマト・スイカの温床を用意して種から育苗することも考えている。経験不足を無視して欲張り過ぎなのか、考えがなかなかまとまらない。1年を通じた作付け全体像を把握しきれていないこともあるので、面倒でも1ヶ月毎の作付け図を描いておいた方がよさそうだ。

天候:晴れ 気温:-1℃-11℃
作業時間:10:30-11:30
小さな苗を植えたタマネギが畝から浮き上がって、20株以上が姿を消してしまった。畝の高さと草マルチの量が足りないのが原因らしい。霜柱対策が不十分なのだろう。
タマネギの新芽
タマネギの小さな苗は全滅か、とよく観察すると、消えてしまいそうな小さな苗の中央部から新芽が伸び始めている。中耕・土寄せが有効だったのかもしれない。

液肥作りから始まった2011/01/06 21:26

米ぬかを乳酸発酵させて肥料にしている、という記事にコメントがあった。何気なく書いている記事だが、コメントなどの反応があると張りが出てくる。ありがたい。
簡単な自家製液肥として、油カスを水に漬けて発酵させたものを希釈して施肥するものがある。最初は、そうしていたのだが、20kgで2,000円ちかくする菜種油カスは高価なので、無料で手に入る米ぬかで代用していた。油カスに比べると窒素成分は少ないが、リン酸分が豊富で、有用菌の麹菌、乳酸菌、酵母の活躍による効果が期待できると、始めたことだ。この程度の内容なので、不用意にブログに載せるべきでなかったのかもしれない。
1年前くらいだったか、時期は曖昧だが、(晴耕)雨読は図書館で、ということで「現代農業」のバックナンバーを拾い読みをしていると、米ぬかを乳酸発酵させたものが有効である、という記事が目に入った。科学的に検証されたものではなく、農家の経験談が取り上げられていた。確たる根拠はないもののプロの農家が効果あり、としているので、一定の効果は期待できるとして、この後は安心して続けている。

heiさん、以上のように、液肥作りが発端ですので、水分が圧倒的に多い配合になっています。午後に畑に行って様子を見てきましたので、画像をご覧んになり参考にしてください。
液肥作り
2月の追肥に使うつもりなので、発酵が遅れるよう、日陰に容器を置いていました。
液肥の発酵状態
気温が低い上に、日陰に置いているので、まったく発酵している気配がありませんでした。ニンニクとタマネギの追肥にする予定なので、米ぬかと油かすを2対1の割合にして、窒素とリン酸の割合を1対1に近づくようにしました。
明日からは、容器を南側の陽だまりになっている場所に置いて温める予定です。古い毛布などを使って保温する必要があるかもしれません。

天候:晴れ 気温:2℃ー11℃
作業時間:14:45-15:15
水遣りと観察
挿し木したローレル、ローズマリー、ラベンダーに水遣り
水や利した挿し木のローレル
活着の希望はまだありそうだ。

小さなタマネギ苗の新芽
枯れかけたタマネギ苗の新芽
ほぼ諦めかけていた苗にも新芽。昨年は畑の移動があってタマネギの作付けをしていない。タマネギを買わずに長ネギで代用しているが、今年はしっかりタマネギを味わいたい。
それにしても、なければないで何とかやっていけるものだ。

仮説から実証へ2011/01/07 09:09

最近、社会科学、自然科学を問わず、学者と言われる人たちの言動に疑問を抱くことが多い。技術革新の速度が高まり、安全性の確証が得られていなくても「まず、絶対安全と言える」という学者の言葉に不信感を持つ。
原子力利用についてだれも100%安全とは言えない状況で、金属ナトリウムによる冷却を行う高速増殖炉の「もんじゅ」による発電計画を推進し、現場を担っている科学者たちは何を考え発言しているのだろう。「100%確実」は学者ならば絶対に口にしない言葉である。
金属ナトリウムが水分と接触して激発反応を起こせばチェルノブイリ並に放射性物質が撒き散らされ、人口稠密な日本では致命的な被害をもたらすことが想像できる。当然、偏西風の影響で高速増殖炉より東側に位置する地域の重大な汚染は免れない。放射能汚染が解消されるには数千年の年月が必要だ。その間、汚染された農産物で飢えを凌ぐことになる。
これほど重大な問題を含んでいる計画が何事もなく着々と進んでいる。甚大な災難に遭遇して初めて立ち止まり考えるのだろう。
しかし、一個人が重大な危険性を訴えても、一仮説にすぎず、実証できなければ存在しないのと同じで、当然無視されてしまう。かといって実証するのは無理かというと、そうでもない。被爆国の日本では、すでにその検証がなされてきているし、多くの国民は、兵器、平和利用を問わず放射線被害の重大性を認識している。被爆経験が活かされないのは何故か。

農業に関わるようになって、「仮説から実証へ」を毎日楽しんでいる。『微生物生態学入門」(日科技連)によれば、微生物の種類や数はほとんど分かっていないのだそうだ。まして、微生物社会の関係=生態などはまったくの未開分野ということになる。微生物と植物の関係が明らかにされてきたのも最近の話だ。
この新しい分野では、金に目が眩んだ学者たちが、基礎研究を疎かにし、実利優先で「100%確実」なんて大言するする前に、現場にいる素人百姓が仮説を立て、栽培を通じて実証していくことができるかもしれない、と考えることは興味深い上に、胸がスッとして痛快な気分になれる。

天候:晴れ 気温;-2℃-8℃
作業時間:11:00-12:30
露地栽培のワサビ菜、チシャ(レタス)、ミズナをビニール・トンネル内に移植。
ワサビ菜、チシャ、ミズナを移植
発芽の芳しくないダイコンの畝に植え付ける。
ビニールトンネル内に移植
暖かなビニール・トンネル内で順調に生育してくれると、サラダの材料に不自由しなくて済みそうだ。地温を測る。
ビニール・トンネル内の地温
17℃近くある。座間市の年間平均気温に近い。夜に気温が下がっても、土は蓄熱効果が高いので急激に温度が下る心配はない。
ついでにサトイモやショウガを貯蔵している場所の表面近くの地温を測る。16℃近くある。
サトイモ、ショウガ貯蔵の地温
半透明のビニールで被覆した効果が出ている。先日に測定した時は10℃を下回っていた。内部の温度はせいぜい10℃くらいにしか保てないだろう。凍結は免れそうだが、ショウガはどうなるのか。

液肥を暖かい陽だまりに移動。
液肥を暖かい場所に移動
古い南京袋で周囲を覆うなど工夫をしないと、発酵に必要な温度を確保できないかもしれない。

液肥の発酵が始まる2011/01/08 21:39

わずか1日、液肥の容器を陽だまりに置いただけで、発酵が始まった。畑に着くとすぐにSMさんが姿を見せた。液肥の状態に関心がある、ということで中を見てみることにした。夜の中に冷えたはずの容器に手を触れると温もりがある。
発酵が始まった液肥
蓋を開けると、甘酸っぱい香りとともに酪酸のチーズ臭が広がる。酪酸菌は空気をひどく嫌うので、糠みそと同じように攪拌して空気を送り込むと、酪酸菌の働きを抑制できる。
乳酸菌の状態がよければ、酸性の乳酸により腐敗菌や食中毒の原因になる黄色ブドウ球菌など病原菌は生存できない。半面、カビ類=菌類の麹菌や酵母などは影響を受けず共存できるようだ。乳酸菌なしに酵母だけで味噌や酒を作る実験をすると、カビ臭くてとても口にできないらしい。
液肥を作る場合、最初は、水分50%前後に保ち、好気性の麹菌を働かせ、米ヌカに含まれる炭水化物を糖に変える工程を設けるべきだろう。何度か攪拌して炭水化物の多くが糖に変化した頃に、水をたっぷり入れて液肥にした方が効果がありそうだ。乳酸菌や酵母はこの糖をエネルギー源にして働いてくれる。酵母は窒素分をアミノ酸に変えてくれる。
発酵が成功すれば、乳酸の甘酸っぱさとアミノ酸の味噌のような香りがしてくるはずだ。
この液肥を希釈し追肥として株間に投入すれば、液体部分は土に浸透して、病原菌の殺菌やアミノ酸の形で窒素分の供給が期待できる。固形分は地表に残り好気性の麹が働き始めて、草マルチなどがしてあれば、炭水化物を再び糖に変えてくれる。米ヌカに豊富なリン酸分の補給も期待できる。
・・・という具合に効果を発揮するのではないか、というのが仮説だが・・・結果はどうなるのか。タマネギやニンニクの生育状況を見ながら判断したい。

天候:晴れ 気温:-1℃-10℃
作業時間:10:30-11:45
麦踏(昨日分)
前回の麦踏から2週間以上経った。
3回目の麦踏
生育の勢いがよく、放っておくと茎立ちしてしまいそうな感じだ。丹念に麦を踏まないと、草勢がよく麦が倒れない。

今日は、液肥のチェックと攪拌以外は見回り・観察のみ。
SMさんの畑でヤーコンの試食をしながら、珍しいカリフラワーを見せてもらった。
これもカリフラワー
葉の色や形状はカリフラワーと同じようだが、花蕾の色も形も見慣れたものとはだいぶ違う。味はどうなのだろう。