気ぜわしい日々2010/10/01 21:14

夏野菜の撤収が遅れている上に雨が続き、秋・冬野菜の準備に追われている。来年の作付けを考慮しながらのやり繰りがなかなか難しい。ニンジン単独の播種の時機は逸してしまったようだ。コカブとイチゴの準備を明日には終えたい。明後日からまた雨の予報だ。

天候:曇り 気温:17℃-23℃
作業時間:9:00-13:40
九条太ネギの植え付け
一本ネギの長ネギとは異なり九条ネギは分けつして株が増えていく。関西方面でよく栽培されていて、関東のように軟白部が特に尊重されるわけではないらしい。長ネギのように葉緑部を捨てずに活かせる上に、軟白部も大変美味しい。
軟白部の長さを20cm程度にするため、畝に深さ25cm、直径3cmほどの穴を開けていく。この作業は雨の後が適している。乾燥していると、開けた穴の周囲がすぐに崩れてしまう。
ネギを落とし込む穴を開ける
畝は時間が経つと低くなるので25cmの深さが、収穫の始まる2ヵ月後には20cm位になることが予測される。
穴の数は50x4で200になった。小さな苗は隣に溝を切って根元に少し土を被せ普通に植えた。
九条太ネギの植え付け
苗が300本近くあった。畝の余った箇所にワケギとラッキョウの球根が少しあるので植え付けるつもりだったが、果たせなかった。ニラやイチゴの畝も手狭になってきているので移植したいのだがなかなか畝の準備できない。

観察:
ニンニクの発芽が揃ってきた。
ニンニクの発芽
ここでも日本産は中国産に押され発芽はまだ僅か。

タマネギの苗が活着した模様。
タマネギの苗が活着
植え付け時期(11月中旬)に鉛筆ほどの太さに生長していれば成功だが、植え付ける場所の準備ができていない。

防虫ネット内のキャベツやブロッコリーが穴だらけだ。
穴だらけのブロッコリー
ネットの裾の押さえ方が甘いのか、コナガやヨトウムシの幼虫を数匹見つけ捕殺。明日、ネットを外す予定。

キャベツ畝の全面混播(畝全面に多種類の種を蒔く)したものがきれいに揃って発芽している。種と砂状の土の配合は丁度よかったようだ。その様子を不織布のトンネルを透かして見ることはできるが、写真には写らなかった。

防虫ネットを外す2010/10/02 19:37

予定通り、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリーの防虫ネットを外した。明日から虫取りの毎日がしばらく続く、と言っても、すでに虫食いで穴だらけになっている株がいくつもある。
防虫ネットを外したブロッコリー
ネットに押さえつけられていたためか、葉がしんなりして元気がない様子。

天候:晴れ 気温:18℃-25℃
作業時間:8:30-13:30
畝作りの準備
キュウリの支柱とネットを撤去。オクラも実が繊維質で硬いものばかりになってきたので種取用に3株だけ残して、鍬で根元から刈り取った。ゴマ等の収穫跡は草マルチをしたおいたので土は固くなっていない。南北5m、東西6mで30㎡の面積が確保できた。幅100cm長さ6mの畝が3つ余裕を持って作れそうだ。時無しダイコン、時無しコカブ、イチゴ、ニラ、ワケギなどが播種・植え付けを待っている。
新しい畝の準備
夏、通路に繁茂していたイネ科の雑草の根が深く取り除くのに時間がかかってしまった。最後に有機石灰(牡蠣殻)を散布して準備を終えた。明日、米ぬかを散布し草マルチをする予定。抜き取ったばかりの草は復活してしまう生命力がある。枯れ切った草を下に敷いて、今日刈ったばかりの草はその上に置けば、招かざる雑草に悩まされることが少なくなる。

観察
ダイコンの発芽が揃った。欠株が1箇所あったので補植。
大蔵ダイコンの発芽
発芽したばかりの頃は、緑が薄く弱々しかった。

全面混播(畝全面に多種類の種を蒔く)をしたカリフラワーの畝。防虫のネットを外したので観察しやすい。
全面混播の畝
密生しているところを間引けば、そのままサラダになる。

まだまだサトイモの花が咲き続ける。
サトイモの花
いつもは蕾の中に切り取ってしまうので、開花を見たのは初めて。清楚で美しい。花が咲くのは珍しい現象らしい。

水槽にはまだオタマジャクシがいるが、数は盛夏にくらべるとかなり少ない。
水槽のオタマジャクシ
ウリノメイガの幼虫はカエルに食べられてしまったようだ。
じっと動かないアマガエル。
じっと動かないアマガエル
四阿の周囲にアマガエルがたくさんいる。気温が下がってきて寒いのか、どのアマガエルも風をよけてじっとしている。

日陰の仕事2010/10/03 07:55

家事と言えば、日陰の仕事(shadow work)=金にならない日の当たらない仕事の代表だ。そのため、現代の生活は、いかに家事を省力化するかに重点を置かれてきた。私はそれにずっと違和感があった。生きることの基本がどうしてここまで軽んじられるのだろうか。

スーパーに行って有り余る食材を前に、和食、中華、洋食などジャンルを問わない食事を毎回考えるのは苦痛かもしれない。量販店で安く買える便利な小物が溢れている家の掃除も大変だ。洗濯だけは洗濯機のおかげで楽になっているが、天気を睨みながら干したり取り入れたり、けっこう時間を拘束される。それに何も収入の足しにならない。
しかし、生活の質の向上に肝心なことは、これらの家事をいかにこなし、楽しむことができるかだろう。旬の地場野菜中心のメニューを考え、単純化しすればよいのだ。年間を通じればこちらの方が季節感があり、変化を感じられるはずだ。掃除だって、適度な広さの家で簡素に生活すれば、あっと言う間に終わる。収入が増えたとしても、経済規模が拡大すればインフレが進み、生活が豊かになるとは限らない。物欲がすべてならば別だが。

同じことは農業にも言えそうだ。金にならないし、同じ姿勢の作業で苦痛を伴うことも多い。この点では、これも日陰の仕事(shadow work)と言えそうだ。酷暑の夏の「日陰の仕事」は歓迎されそうだが・・・

農業に関わるようになって、キャベツ1個が300円で高い、というニュースが流れると、そんなことはない、と思ってしまう。長い時間丹精を込めて育てているので、できれば売りたくない、というのが人情だろう。プロではないので自家用が主体なので問題ないのだが、1個100円で売らなければならないとしたら、けっこうおざなりな栽培方を考えるだろう。
近い将来、野菜を売って歩こうと考えている。できれば行商をしながら対面販売をしたい。苦労が報いられるのは、おそらく「美味しい野菜」と言ってもらえることだろう。お金ではない。

結局、富の追求をするばかりで、生活の中核をなす仕事を日陰に追いやったことで大事なことを見失っているように思う。仕事に当たる英語にはwork,job,laborなどがある。workには仕事以外に作品などという意味もあって幅が広い。職業としての仕事はjobで、労働ならlaborだろう。日本語の仕事の意味の範囲は広すぎるようだ。

農業はwork、job、laborのいずれにもなる。要はどのように農業に向かい合うかだ。日陰の仕事=shadow workにはしたくない。workには価値創造の要素がある。
(「Shadow Work」はオーストリアの哲学者イバン・イリイチの著作の題名です。一世を風靡したので、ご存知の方も多いのではないでしょうか)

天候:晴れのち曇り 気温:16℃-23℃
作業時間:8:45-10:00
新しい畝に米ぬかを散布
米ぬかの散布
できれば1ヶ月前にこの作業を終えておきたかった。

虫取り
ヨトウムシの中齢幼虫がたくさん見つかった。これが老齢幼虫になると、昼間は土中に潜ってしまい発見が困難になる。数日の中に徹底した虫取りをする必要がありそうだ。虫食い状態からするとまだまだいるはずだ。すでに老齢幼虫になっているとすると駆除が困難だ。

観察:
安定群落庭園のイメージ。
イチゴとカタバミ
イチゴと野草のカタバミが仲良く共生している。裸地に野菜だけが生育している光景より心地よい。

サツマイモ不作の原因は・・・2010/10/05 20:38

平日に車の使える時間が午前中に限られているので、なかなか三田の畑に出かけられなかった。月曜日が久しぶりに晴天に恵まれたので、サツマイモの試し掘りをした。
三田のサツマイモ
共同管理者のYKさんと9時半頃からサトイモを掘る。植え付けたのが普段より1ヶ月近く遅いので、多少の生育不足を覚悟していたのだが、思っていた以上に不作だった。
サツマイモの試し掘り
手ごろな大きさのものだけを収穫して、蔓はそのまま残しあと3週間ほど様子を見ることにした。
不作の原因は、この夏に長く続いた猛暑を筆頭に、日照不足(畑の周囲で桑などが茂っていて、真夏でもサツマイモが日光の直射を受けるのは4,5時間ほどか)、窒素過多による蔓惚け等が考えられる。猛暑続きといっても、座間の圃場の周囲では、サツマイモの出来が悪くない。畑の東端にサツマイモを植え付けたので、一番日の当たらない場所だったので、日照不足も原因の1つと言えるかもしれない。窒素過多かどうか、大豆を引き抜いてみると、根粒菌の瘤がほとんどついていない。根粒菌の瘤が少ない時は、窒素過多が考えられる。原因はどれも完全に否定しきれない。
来年は、サツマイモの植え付けを畑の中央部の日当たりのよい場所にして、施肥(今年も施肥をしていない)は一切しないようにしよう。日照り続きならば水遣りも必要かもしれない。

天候:晴れ 気温:19℃-27℃
作業時間:9:30-10:30(三田)
       10:50-13:00(座間)
虫取り
ブロッコリーに中齢のヨトウムシ。
中齢のヨトウムシ
ブロッコリーなどのアブラナ科類にはこれだけだった。

ラッキョウの定植
タマネギの苗床のとなりに球根を植え付ける。
ラッキョウの植え付け
(振れてしまい、ピントがボケています)エシャレット(エシャロットではありません)として収穫するつもりなので、植え替えをして長ネギのように軟白栽培する予定。

ワケギの定植
ワケギの球根
ワケギの球根
ワケギの植え付け
ワケギの植え付け
発芽しているものが多く、芽が地表にでるよう植え付けた。

大蔵ダイコンの間引き
本葉の出始めたダイコン
本葉が出始めてきたので3本に間引いた。周囲にはスイスチャードが大量に自然に発芽している。スイスチャードの若い中はホウレンソウ代わりにして違和感がない。

観察:
タマネギの発芽
タマネギの発芽
2度目の播種で、中生も中晩生も揃って発芽してくれた。
一昨日、ベタ掛けを外すと、またもモグラとコガネムシの幼虫が地中を這ったのか、大きく、あるいは小さく土が盛り上がっていた。春には、これが原因でニラが3分の1くらいしか発芽しなかった。まだ発芽していなかったので、板を使って強く鎮圧しておいた。翌日に雨が降ったのも幸いだった。
今日も土が浮いてしまっているところがあったので、レンガで押さえ付け鎮圧し、ベタ掛けを外したままにしておいた。

秋桜(コスモス)が盛り
コスモス(秋桜)
庭園(Garden)を名乗っているので花も大事な存在。

ブロッコリーとカリフラワー
ブロッコリーとカリフラワー
防虫ネットの抑圧がなくなり、伸び伸び、生き生きしてきた。

コシャリ2010/10/06 20:00

畑でずっと探していたものが、季節の到来ととも見つかった。真っ白になって死んでいるヨトウムシ?がカリフラワーの葉に付いていた。
白いヨトウムシの死骸
疫病菌か白きょう病菌と呼ばれる昆虫寄生菌によって死んだようだ。皮膚が白くなっているのは胞子の色らしく、この胞子が周囲に飛散してヨトウムシなどに伝染していくらしい。同じような働きをする菌に硬化病菌(緑きょう菌)などが挙げられている(「日本の有機農法」(筑波書房)p134)。
これらの死骸を集めて畑にまいておくと、胞子が翌年まで残り、気温が24℃に下がると活発になる、とある。ヨトウムシなどが住みにくい畑ができそうだ。
これは日本の伝承農法の1つで「コシャリ」と呼ばれている。自然のBT剤活用の除虫法だ。
恐ろしい考えだが、この白い死骸を空のペットボトルに入れておいて、虫取りで捕まえたヨトウムシなどを入れて感染させれば、大量のヨトウムシ防除の胞子を手に入れられる。

天候:晴れ 気温:19℃-26℃
作業時間:9:30-12:00
イチゴの苗(宝交早生)を5鉢、ホームセンターで購入
宝交早生の苗
育苗用の防虫ネット張ったトンネルに定植まで入れておく。

虫取り
ハスモンヨトウムシの中齢幼虫
ハスモンヨトウムシ
ヨトウムシが付いているのはブロッコリーが多い。明日は捕殺せずに白い死骸を入れたペットボトルに入れて「コシャリ」の実験をしてみよう。

青シソの葉と青・赤シソの実の収穫
シソの収穫
青シソの葉は「シソ味噌」に、シソの実は塩漬けのため、塩水で明朝まで灰汁抜き。
青シソの実
青シソの実
赤シソの実
赤シソの実
赤シソはシソジュースを作るために1畝(8m長)栽培したが、花穂が短く軟弱で青シソに比べると収穫量がかなり少ない。

アメリカ土産のキュウリの初収穫
アメリカ土産のキュウリ
小さいが太っていてピクルスによさそう。