自然農への取っ掛かり2010/09/19 20:53

無農薬、無化学肥料はともかく、無施肥は本当に可能なのか。豊作を目指しながら、肥料の供給なしに栽培を続ければ、土壌中の栄養分が欠乏してくる、と考えるの自然だろう。
宮脇昭氏は、鎮守の森は極相をなした安定群落だという。人の手を借りず、古代から長らくその自然の植生を維持している原始の森だ、というのは間違いなさそうだ。
しかし、野菜を栽培する畑はそうはいかない。人の手を加えず自然に任せた栽培をしたところで、収穫により作物の持ち出しがある。

厳しい暑さが続いたこの夏を振り返ってみると、自然農への取っ掛かりの1つがあったようだ。
自生のトマトとトウガン(冬瓜)は一番早く実を付け始め、未だに収穫が続いている。この間、農薬はもちろん、施肥などは一度もしていないのにも関わらず、病虫害に悩まされず豊作に恵まれている。
ハーブ類の畝の一角に自然に生えてきたトウガン(冬瓜)
勢いの衰えない冬瓜
あらゆる方向に蔓を伸ばし、葉菜類の栽培の邪魔になるので、どちらかと言うとぞんざいに扱ってきた。追肥などはもちろんしていない。勢いに押されてかウリハムシなどの害虫がいつのまにかいなくなっている。
収穫したトウガン
収穫したトウガン
この株から昨日収穫したもの4つ(これまでの合計8個)の中で一番小ぶりなもので3kg弱ある。他の一回り大きいものは4kg近くありそうだった。他の場所に移植したものからは小さなものしか収穫できていない。
こちらはミニトマト
自生のミニトマト
地を這いながら次から次へ枝を伸ばし実を付けている。さすがにもう終わりかと近づいてみると、新しい枝に実を付け始めている。中球トマト、大玉トマトはよく実を付けてくれたが、オオタバコガの被害に遭うものが多かった。半面、これら自生のトマトは病害虫知らずだった。

無施肥にするかどうかはともかく、自生の種(しゅ)を生かし、自然に任せながら、繰り返えし栽培できれば、自然農の1つの形ができそうだ。除草なども必要なく、植物群落の中で安定した作物の栽培ができるかもしれない。